チームの定例会を実施しているが、なんとなくやっている感じで議題も特にない。こんなことなら、時間の無駄だからやらなくてもいいんじゃない?
リーダーが仕切るチームの定例会に関する悩みに答えます。
本記事の内容
・チームの定例会の目的は「何かを決める」ではなく「振り返り」
・議題は「答え合わせ」と「スパイラルアップ」
自分はリーダーという役割で、定例会の運営を毎週1回、5年間かかさず実施しました。
また、プロジェクトのチームを率いた際には半年間毎日定例会を実施した経験もあります。半年間毎日実施しても、議題に困ったりすることは特にありませんでした。
一方で、継続が非常に苦しい定例会がありました。
「今週は何を話そうか・・・もうやめたいな、この定例会」と考えていました。
例えば、メンバーが「お客さん」になってしまう定例会はきつかったです。
返ってくる反応が、「だから何?何やればいいの?」や「言いたいことは何?」「こんな情報意味ないわ」など、ちょっとどう答えてよいのやらという言葉が返ってきました。
これは極端な例かもしれません。しかし、定例会の運営に悩まれているリーダーは多いと思いますので、経験を元に解決策を整理します。
ご参考にしていただければ嬉しいです。
定例会は必要か?
結論は、絶対に開催しなければならない類の定例会ではなく、リーダーであるあなたが必要性を感じないなら思い切って廃止してもいいと思います。
しかし、廃止できない定例会(例えばあなたの一存では廃止決定できない)や少しでも実施した方がいいかなと思う定例会は続けるべきです。
お悩み解決に向けて考え方や目的、議題の観点を変えてみることをおススメします。
定例会に関する勘違い
結果的に自分を苦しめていた、定例会に関する先入観や固定概念からくる、よくある勘違いが3つあります。
・時間が固定である
・何かを決めなければならない
・メンバーと双方向であるべき
以上3つです。この3つの勘違いが定例会を異常に高尚な会議、例えば役員会議の様なイメージに引き上げてしまい、現実とのギャップに苦しみました。
時間が固定である
「会」である以上、時間の設定はあると思います。この時間をきっちり使い切らないといけないという勘違いです。
例えば1時間の時間設定の場合、1時間分の内容があるべきと一生懸命見当たらない議題となる案件を探している様な状況です。
しかし、これはちょっと変かなと思います。本来は、案件が先にあるはずです。10分で終わる案件しかなければ、10分で終わればよいはずです。
ですので、設定した時間を気にするのではなく、話さなければいけない案件に抜け漏れがないかに集中すればいいです。
案件が少なければ早く終わればよいし、案件が多ければあらかじめ時間を延長しておけばよいだけです。ただし、だらだら延長するのだけはおススメできません。
何かを決めなければならない
実施する以上は、毎回何らかの意思決定がなされるべきという勘違いです。
今回は何を決めよう、どんなことに関してメンバーの同意をもらうべきか・・・そもそもそんな案件あった?みたいな状況に陥ります。
確かに何かが決まる会は素晴らしいと思いますが、会のたびに意思決定が必要かと問われると疑問ですし、必要ないと思います。
定例会ですので、あまり難しく考える必要はありません。共有なら共有、雑談なら雑談、毎回意思決定の「提案」ばかり考えていては疲れてしまいすね。
メンバーと双方向であるべき
定例会の中で、必ず各メンバーの登場場面を設定しなければならないという勘違いです。これが、最も苦しんだ勘違いです。
例えば、自分は、定例会は双方向のコミュニケーションなのだから、参加メンバーに発言してもらわなければならない、なんなら報告してもらわなければならないと考えました。
結果、何を始めたかというと定例会の脚本を考えだしました・・・定例会が演劇みたいになってしまいますね。
双方向コミュニケーションはもちろん重要です。しかし、大切なことは話したい時に話せる場にしておくことです。
ですので、脚本を考える必要はなく、この一言で全て解決すればいいです。
「皆さんからPR事項や何かありますか?」
この問いに対して、何も発言がなければ、そのまま進めていけば問題ないです。
定例会の目的
勘違い3つを踏まえて、定例会の目的を「何かを決める」のではなく、「振り返り」と考えると効率的に運営できます。
というのは、何かを決めるためには未来に目を向けた話をしがちです。事実に基づく情報がどうしても少なくなるのでピントがぼけやすいです。
一方で、振り返りは過去または現在の話になります。昨日、今日、明日で起こったことや起こることを事実情報に基づいて話ができます。
例えば自分が悩んでいた、メンバーからの「だから何?何やればいいの?」や「言いたいことは何?」「こんな情報意味ないわ」といった反応が、目的を振り返りに変更したことで「何故こうなったの?どうする?」「これは何を言っているの?」「この情報は無視していいな」という様に事実に対する問いや感想に変わりました。
目的を切り替えるだけでも、定例会の議題が出てくるはずです。
振り返りの重要性
「終わってしまったことを定例会で話す意味があるのか?」と思われるかもしれませんが、経験から学びを得る、共有化を図るといった観点から非常に重要です。
コルブの経験学習モデルをご存知でしょうか?人は経験から学ぶという理論です。経験学習モデルでは学びの4つのプロセスが示されています。
1.経験
2.内省
3.概念化・教訓化
4.実践・実験
「2」の内省が振り返りにあたります。定例会で振り返りを行うことで、自らの内省とメンバーへの共有が図れて一挙両得になります。
定例会で振り返りを通して、「2」や「3」のプロセスを踏んでおくと自身とチームの成長につながります。
さらに、場合によっては「4」の実践・実験まで話ができれば仕事や役割分担につながり結果的に業務付与、仕事の進め方を決めることができます。
なんだかんだで、「何かを決める」ことまでできてしまいますね。
定例会の議題
定例会で振り返りを行う際、日記のようにあったことを列挙するのではなく、「答え合わせ」にすることをおススメします。
なるべく効率的に会をすすめるべきかと思いますので、間延びしない工夫が必要だからです。
と言っても簡単で、例えば「Aと考えていて、Aだった」「Bと考えていたが、結果Cになった」みたいな感覚で小学校の時にやった宿題の答え合わせをイメージしてもらえれば十分です。
次に、答え合わせした内容についてリーダーであるあなたが「問い」を立てて、メンバーに議論をしてもらうことでスパイラルアップさせていくことが大切です。
(どうすれば良い?)→(なぜ、起こった?)→(どこが悪い?)→(何を解決する?)といった具合に議題を上流へ引き上げていきます。
こうすることで、4つのプロセスの「3」である概念化・教訓化を進めることでき、その後の実践につながっていきます。
「答え合わせ」と「スパイラルアップ」を取り組んでいくと、いつの間にやら話さなければいけないことが増えてしまいます。
そうすると、「定例会は時間の無駄では?」という悩みにピリオドを打つことができると思います。
まとめ
リーダーとして定例会を運営する際、何かをビシバシ意思決定していかなければならないと難しく考えるのではなく、きっちりと振り返りを行うことに注力すれば十分です。
せっかく定例会を運営するのですから、自身やチームの成長を見据えて進めたいですよね。そのための振り返りとして、答え合わせとスパイラルアップを意識して取り組むことをおススメします。
注意点として、今回の考え方を当てはめていく場合、リーダーはやはりアウトプットを出し続ける存在であるべきです。でないと、振り返ることがなくなってしまいますので・・・。
この点にだけ注意すれば、きっと定例会をうまく活用して最高のアウトプットができます。
一人で悩んでいると解決までに時間がかかってしまいますし、何よりあなた自身が辛くなってしまいますよね。この記事が少しでもお役にたてればと思います。
当ブログでは、自分と同じようにリーダーの役割やチーム運営などマネジメントでお悩みの方に経験に基づいた情報が参考になればと随時発信を続けたいと思います。お役に立てば嬉しいです、是非他の記事も読んでみてください。
ありがとうございました。
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