未来を複数形で捉える

006_複数形の未来 ビジネス

企画や戦略を考えるとき、私たちはしばしば「未来をどう描くか」という問いに向き合います。

ただ、未来はひとつの線として存在しているわけではありません。Aもあれば、Bもあり、Cもある。むしろ複数の未来が同時に立ち上がるのが自然です。

とはいえ、行動は一つに絞らなければならない。

この「複数の未来」と「単数の行動」のあいだにある緊張こそが、企画や戦略の本質でもあります。

今回は、未来は複数あってよい。しかし選ぶときには何を考えているのか?という視点を扱います。

未来は複数ある

未来は、ひとつに決められるほど単純ではありません。

理想の未来、現実的な未来、想定外の未来、選ばなかった未来、まだ言語化されていない未来。こうした複数の未来が、同時に存在しています。

ここは深掘りする必要はなく、「未来は複数あるもの」と軽く受け止めておけば十分です。

選べるのは一つだけ

未来は複数あっても、実際に選べる行動は一つだけです。

企画でも戦略でも、「全部やる」は基本的に不可能。だから、どこかで“選ぶ”必要がある。

では、そのとき人は何を考えているのか。

未来を選ぶとき、人は実は5つの観点で考えている

判断のプロセスは複雑に見えますが、つきつめると5つの観点に収まります。

  • 価値(Value)
  • 実現性(Feasibility)
  • 危険性(Risk)
  • 効果の大きさ(Impact)
  • 効果のタイミング(Time Horizon)

これは「儲かるか/出来るか/やばいか/どれくらい効くか/いつ効くか」という表現を、より落ち着いた語彙に置き換えたものです。

なぜこの5つが“最小の判断基準”なのか

ここが今回の記事の核心に近い部分です。

実は、世の中の代表的な戦略フレームワークを分解すると、すべてこの5つに還元されます。

SWOT分析

  • 強み=実現性
  • 弱み=危険性
  • 機会=価値・効果の大きさ
  • 脅威=危険性

費用対効果分析

  • 利益=価値
  • 費用=実現性
  • 回収期間=効果のタイミング

インパクト×労力マトリクス

  • インパクト=効果の大きさ
  • 労力=実現性

シナリオプランニング

  • 不確実性=危険性
  • 影響度=効果の大きさ
  • 時間軸=効果のタイミング

複雑に見えるフレームワークも、最終的にはこの5つの観点に収束します。

だからこそ、この5つは“戦略判断の最小単位”と言えるのです。

複数の未来 × 5つの観点

未来は複数あってよい。ただし、行動は一つに決める必要がある。

そのときに使う物差しが、この5つです。それぞれに問いを添えると、判断の軸がより明確になります。

  1. 価値(Value) — この未来は、誰にどんな価値をもたらすだろうか。
  2. 実現性(Feasibility) — この未来は、現実的に実行できるだろうか。
  3. 危険性(Risk) — この未来には、どんな危険や不確実性が潜んでいるだろうか。
  4. 効果の大きさ(Impact) — この未来は、どれくらい世界を動かすだろうか。
  5. 効果のタイミング(Time Horizon) — この未来は、いつ効き始め、どれくらい続くだろうか。

複数の未来をこの5つの観点で眺めるだけで、未来の輪郭の違いが自然と浮かび上がります。

おわりに

未来は複数形で存在しています。

それは曖昧さではなく、自然な状態です。

大切なのは、未来を一つに絞ることではなく、複数の未来を5つの観点で扱いながら、今の一歩だけを選ぶこと。

未来は複数でよく、行動を一つにするイメージです。

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