企画や戦略を考えるとき、私たちはしばしば「未来をどう描くか」という問いに向き合います。
ただ、未来はひとつの線として存在しているわけではありません。Aもあれば、Bもあり、Cもある。むしろ複数の未来が同時に立ち上がるのが自然です。
とはいえ、行動は一つに絞らなければならない。
この「複数の未来」と「単数の行動」のあいだにある緊張こそが、企画や戦略の本質でもあります。
今回は、未来は複数あってよい。しかし選ぶときには何を考えているのか?という視点を扱います。
未来は複数ある
未来は、ひとつに決められるほど単純ではありません。
理想の未来、現実的な未来、想定外の未来、選ばなかった未来、まだ言語化されていない未来。こうした複数の未来が、同時に存在しています。
ここは深掘りする必要はなく、「未来は複数あるもの」と軽く受け止めておけば十分です。
選べるのは一つだけ
未来は複数あっても、実際に選べる行動は一つだけです。
企画でも戦略でも、「全部やる」は基本的に不可能。だから、どこかで“選ぶ”必要がある。
では、そのとき人は何を考えているのか。
未来を選ぶとき、人は実は5つの観点で考えている
判断のプロセスは複雑に見えますが、つきつめると5つの観点に収まります。
- 価値(Value)
- 実現性(Feasibility)
- 危険性(Risk)
- 効果の大きさ(Impact)
- 効果のタイミング(Time Horizon)
これは「儲かるか/出来るか/やばいか/どれくらい効くか/いつ効くか」という表現を、より落ち着いた語彙に置き換えたものです。
なぜこの5つが“最小の判断基準”なのか
ここが今回の記事の核心に近い部分です。
実は、世の中の代表的な戦略フレームワークを分解すると、すべてこの5つに還元されます。
SWOT分析
- 強み=実現性
- 弱み=危険性
- 機会=価値・効果の大きさ
- 脅威=危険性
費用対効果分析
- 利益=価値
- 費用=実現性
- 回収期間=効果のタイミング
インパクト×労力マトリクス
- インパクト=効果の大きさ
- 労力=実現性
シナリオプランニング
- 不確実性=危険性
- 影響度=効果の大きさ
- 時間軸=効果のタイミング
複雑に見えるフレームワークも、最終的にはこの5つの観点に収束します。
だからこそ、この5つは“戦略判断の最小単位”と言えるのです。
複数の未来 × 5つの観点
未来は複数あってよい。ただし、行動は一つに決める必要がある。
そのときに使う物差しが、この5つです。それぞれに問いを添えると、判断の軸がより明確になります。
- 価値(Value) — この未来は、誰にどんな価値をもたらすだろうか。
- 実現性(Feasibility) — この未来は、現実的に実行できるだろうか。
- 危険性(Risk) — この未来には、どんな危険や不確実性が潜んでいるだろうか。
- 効果の大きさ(Impact) — この未来は、どれくらい世界を動かすだろうか。
- 効果のタイミング(Time Horizon) — この未来は、いつ効き始め、どれくらい続くだろうか。
複数の未来をこの5つの観点で眺めるだけで、未来の輪郭の違いが自然と浮かび上がります。
おわりに
未来は複数形で存在しています。
それは曖昧さではなく、自然な状態です。
大切なのは、未来を一つに絞ることではなく、複数の未来を5つの観点で扱いながら、今の一歩だけを選ぶこと。
未来は複数でよく、行動を一つにするイメージです。

コメント